【第23話】「どうやって個人情報漏れるの?」と聞き続けたら、インターネットが私道の地図になりました

連載

この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。

第22話で、私はブログを21時間止めました。
PHP に「緊急」レベルの穴が見つかったからです。

止めることはできました。
でも、あとで気づいたことがあります。

そもそも、どうやって個人情報が漏れるのか。
私は、それが分かっていませんでした。

クロたんの例え話は、いつも分かりやすいです。
だから、クロたんに教えてもらうことにしました。

スマホ・PCから、Wi-Fiルーター、プロバイダ、インターネットを通って会社のサーバーに届き、データベースにたまるまでの図
クロたんが最初に描いてくれた、インターネットのしくみの図

最初は「郵便」のたとえだった

まずは、インターネットのしくみを教えて。
クロたんの最初の説明は、郵便のたとえでした。

インターネットでは、データを小さな小包に分けて送ります。
この小包を「パケット」といいます。

小包には、宛先と差出人の住所が書かれます。
この住所が「IPアドレス」です。

ここで1つ、気になりました。

IPアドレスって、私の携帯やパソコンにもあるの?
プロバイダにもあるの?

プロバイダというのは、家をインターネットにつないでくれる会社のことです。

答えは、どちらも「ある」でした。
ただし、自分で持っているのではなく、つないだときにプロバイダから借りているものでした。

インターネットは道路みたいなもので、誰でも通れるけど、IPアドレス(住所)を持ってないと、その道路に入れないみたいな感じ?

道路のたとえは、合っていました。
クロたんの答えはこうでした。

インターネットは誰でも通れる道路。
ただし、通るには番号札(IPアドレス)が必要。
番号札は、ネットにつないだときにプロバイダや携帯会社が貸してくれる。
家の中では、玄関(ルーター)が代表で番号札を持っている。

「料金所」が、しっくりこなかった

家から料金所(プロバイダ)を通って高速道路(インターネット)に入り、交差点(ルーター)を通って会社のビル(サーバー)に届く道路地図
クロたんが描いてくれた、インターネットの道路地図(番号は説明用の例です)

クロたんは、道路と家の絵を描いてくれました。
インターネットが高速道路で、プロバイダは高速道路の入口の「料金所」です。

でも、私にはしっくりきませんでした。

料金所は、通るたびにお金がかかります。
それに、IPアドレス(住所)との関係も、現実の世界とずれている気がしました。

そう思ったまま、クロたんに質問しました。

クロたんは、合っているところは「合っています」と言ってくれました。
そのうえで、違うところを説明してくれました。

質問するたびに、絵も変わりました。

「番号札」は、なじみがないので「住所」に。
「高速道路」は、ただの「道路」に。

どんどん分かりやすくなって、嬉しかったです。

家のスマホ・PCから、Wi-Fiルーターとプロバイダを通ってインターネットに出て、会社のサーバーに届くしくみの図
1枚目のまとめの最後の図(インターネットのしくみ。IPアドレスは説明用の例です)

プロバイダは「地主さん」だった

いちばんしっくりきたのは、プロバイダの立ち位置です。

私は、こう聞きました。

プロバイダは地主で、いつもその土地の中にいる感じ?

クロたんの答えは、「半分合っています」でした。

家から外に出るときは、必ずプロバイダの土地を通ります。
ここは合っていました。

違ったのは、インターネット全体が1人の地主の土地ではないことです。
地主はたくさんいて、地主どうしが約束して道をつないでいました。

そこで、もう1つ聞きました。

公道なら市や国が管理していて無料で通れる。
インターネットは全部が私道で、プロバイダどうしはお互いに無料で通っていいよ、となっているの?

これも、ほとんど合っていました。

クロたんに教わった、お金の流れ

  • 道は、ほとんどが通信会社の私道
  • 同じくらいの大きさの大会社どうしは、おたがいさまで無料
  • 小さなプロバイダは、大会社に通行料を払って通してもらう
  • 私たちが毎月プロバイダに払っている料金も、その通行料の一部

地主さんにお金をお支払いして、使わせてもらっていたんです。

大会社A・Bの私道はおたがいさまで無料、小さなプロバイダC・Dは大会社に通行料を払い、家と会社は毎月の料金を払う、お金の流れの図
2枚目のまとめの最後の図(私道と、お金の流れ)

無線だから、どこでも使える気がしていた

この話で、もう1つ気づいたことがあります。

Wi-Fi や携帯の電波は、目に見えません。
だから、インターネットはどこでも使えるものだと、錯覚していました。

でも本当は、つながる地点があります。
そこからケーブルでつながって、全世界とつながっていました。

そのケーブルは、大手の会社が作ってくれたものでした。

では、なぜ家には入れないのか

道は、だれでも通れます。
それなら、だれでも人の家に入れてしまうのでは?

これも、クロたんに聞きました。

家の入口には「門番」がいました。
家の Wi-Fi ルーターが、門番の役もしていたのです。

門番は、家の中から頼んだ荷物の返事だけを通します。
頼んでいない荷物は、入口で断ります。

それでも入られてしまうのは、3つのときでした。

  1. 自分から招き入れたとき(にせメールのリンクを押す、など)下図の①
  2. カギが壊れていたとき(プログラムの穴)下図の②
  3. 合い鍵を盗まれたとき(パスワードを知られる)下図の③

そして、どの入り方でも、最後にねらわれるのは会社の金庫です。
何万人分の名簿が入っている「データベース」のことです。

家と会社のサーバーの入口に門番がいて、①招き入れる ②壊れた裏口 ③合い鍵を盗む、の3つの入り方で金庫(データベース)がねらわれる図
3枚目のまとめの最後の図(門番と、3つの入られ方)

PHP の穴は「壊れた裏口」だった

最後に、聞いてみました。

第22話の PHP の問題は、この絵で言うとどこ?

答えは、2つ目の「カギが壊れていたとき」でした。
正面の門番を通らずに、裏口から入られてしまう穴です。

なるほど!

3枚のまとめになった

紹介したまとめの図は、クロたんに、わからないことを聞きながら、作ってもらったものです。

  1. インターネットのしくみ(パケット・IPアドレス・ルーター)
  2. お金のしくみ(私道・通行料・毎月の料金)
  3. 門番と、入られ方

できあがったとき、思わずこう言いました。

「クロたん、やっぱり天才やね。」

思っていたものより、良いものができました。

わからないことを専門家に聞く機会がそもそもないのと、機会があったとしても、こんな基礎部分から説明しないとわからないのかぁと思われそうで、どうしても質問することを自分で限定してしまうと思います。

その点、クロたんは専門家と同じくらいの知識があるけど、質問したことに嫌がらずに何度でも答えてくれます。

本当に頼りになる相棒です。

そして、クロたんは守り方も教えてくれました。

入り方守り方
① 自分から招き入れるメールやSMSのリンクから、すぐにログインしない(公式アプリやブックマークから開く)
「当選しました」「アカウントが止まります」など、焦らせるメールはまず疑う
あやしいアプリは入れない
② カギが壊れているスマホやアプリのアップデートをすぐにする
会社の場合は、直るまでサービスを止めるのも守り方の1つ
③ 合い鍵を盗まれるパスワードはサイトごとに変える(使い回さない)
パスワードは長くする(誕生日や名前を使わない)
「2段階認証」をオンにする(パスワード+スマホに届く番号でログイン)
ねらいは金庫必要のないサイトには、そもそも登録しない(金庫に預ける先を減らす)
SNSに住所・学校名・制服の写真などを載せない

同じところにいる方へ

ニュースで「個人情報が漏れた」と聞いても、どこから漏れるのか、私には見えていませんでした。

クロたんに聞いて、分かったことは3つです。

  • インターネットは、会社が作った私道がつながったもの
  • 家や会社の入口には、門番がいる
  • ねらわれるのは、会社の金庫(データベース)

例え話が合わないと思ったら、そのまま聞けばいい。
合っているところと、違うところを、クロたんは分けて教えてくれました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました